電力会社を変更するための手続きと注意点を解説

電力会社を変更するために知っておきたい全知識 -手続きの流れ、デメリットや注意点はある?-

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電力会社を変更するには

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2016年4月からの電力自由化により、それまで地域電力会社(東京電力など)から電気の供給を受けていた一般家庭でも、電力会社を自由に選べるようになりました。

電力会社の変更手続きは、実はとても簡単です。しかし、「面倒くさそう」「どうやって手続きすれば良いのかわからない」と、一歩を踏み出せない方は少なくありません。
また、東京電力エリアだけでも50社以上の電力会社があるため、「どのように電力会社を選べばいいのかがわからない」という方も多いのではないでしょうか。

そこで本特集では、電力会社を変更するための手続きと、電力会社を変更する際に覚えておきたいいくつかのポイントを解説します。
家庭の電気使用量ごとのおすすめの電力会社も紹介しているので、電力会社選びの参考にしてください。

工事は必要?まずは電力会社の変更手続きをチェック

それでは、実際に電力会社を切り替える際の手順を見ていきましょう。

1電力会社の決定と供給エリアの確認

まず、切り替え先の電力会社を選ぶ必要があります。後述しますが、最適な電気会社の選び方は家庭ごとに異なります。料金の安さを重視するのか、サポート体制を重視するのか、電力会社を変える理由を明確にしておきましょう。

参考:電気料金比較|東京・神奈川の電力会社の電気料金プランで最も安いところは?

電力会社を選ぶ際に注意しておきたいのが供給エリア。どんなにメリットを感じている電力会社でも、供給エリア外であれば利用することはできません。自身が居住する地域は、検討している電力会社の供給エリア内かどうか、公式サイトから確認しておきましょう。

2現在の契約状況の確認

電力会社の変更手続きには、現在契約している電力会社の情報が必要です。まず、手元に検針票を用意しましょう。検針票に記載されている「契約名義」「お客様番号」「供給地点番号」の3つが、変更手続きの際に必要な情報になります。
また、契約アンペア数や現在の料金(多くの場合は、基本料金+従量料金)も確認しておくと、新しい電力会社の電気料金プランと比較しやすいでしょう。

3切り替え先の電力会社への申し込み

電力会社への申し込みは、公式WEBサイトから簡単に行うことができます。
申し込みの際は、契約プランを選択することになるので、基本料金や従量料金はいくらなのか、どのような割引が適用されるのか等を確認しながら、各家庭に合った最適なプランを選びましょう。
ちなみに、現在契約中の電力会社の解約手続きは不要です。

4スマートメーターへの切り替え

電力会社を変更する際には、従来の電力量計を「スマートメーター」に切り替える必要があります。すでにスマートメーターが設置されている世帯では、この工程は必要ありません。
一方、まだスマートメーターが設置されていない場合でも、変更先の電力会社が無料で切り替え工事を手配してくれます。工事の立ち会いも原則不要。切り替え日に「その日は電気が使えない」ということもありません。

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電力会社の変更手続きが完了するまでには、申し込みから数週間〜2ヶ月程度かかります
電力会社の対応状況や混雑状況などによって、所要期間はさまざまですが、スマートメーターへの切り替えが必要な場合は、供給開始までに少し時間がかかるでしょう。
なお、供給開始予定日は、電力会社からメールや書面で連絡がきます

変更手続きに必要なものリスト

  • 現在契約中の電力会社が発行する検針票
  • (クレジット決済を希望する場合)クレジットカード
  • (銀行引き落としを希望する場合)銀行口座がわかるもの

電力会社はここをチェック!変更前に見ておきたいポイント

「せっかく電力会社を変更するなら、電気料金の安さを重視したい」という方もいるでしょう。
実は、家庭ごとに家族の人数や電気の使用量は異なるため、どのような家庭にもおすすめの電力会社というものはありません。そのため、自分の家庭の電気使用量を把握した上で、電気料金シミュレーション等を利用して節約効果を比較することをおすすめします。

電気料金のしくみの多くは、電気を使用しなくても毎月必要になる基本料金と、使用した電気量に応じて加算される従量料金の2段階になっています。
とくに従量料金は、電気使用量が多いほど安くなる料金体系を採用している電力会社が多いものの、その単価は電力会社により差があります。電気使用量が多い家庭では、必ずチェックしたい項目の1つです。

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一方、一人暮らし世帯の場合は、家族世帯よりも電気使用量が少ないため、従量料金の安さのメリットを受けにくいことがあります。電気の使用量が少ない世帯では、基本料金が無料になる電力会社や、基本料金と従量料金をどちらも安く設定している電力会社などを選ぶと良いでしょう。

また、電力会社ごとの付帯サービスもチェックポイントです。電力会社を選ぶ際には、電気料金に加えて、契約者向けの付帯サービスにも注目してみましょう。

電力会社のサービス一例

  • セット割引

電気の契約を、ガスやインターネットの契約とあわせることで割引が適用される電力会社があります。石油会社が運営する電力会社では、電気契約をすることでガソリン代が割引されるケースも。
日常よく利用しているサービスで割引が受けられる電力会社を選択肢にするのも良いでしょう。

  • 契約年割引

電力会社の中には、一定期間以上の契約で割引を用意しているところもあります。契約年割引を利用する場合は、最低利用期間や、中途解約時の違約金の有無とその金額を確認しておきましょう。

  • ポイントが貯まる

電気料金の支払いでポイントが貯まる電力会社もあります。独自のポイント制度が設けられていたり、Tポイントなど汎用性の高い共通ポイント制度を導入しているところも。ポイントが貯まる電力会社の場合は、自分の使い勝手の良いポイントかどうかをチェックしてみましょう。

  • サポート体制

駆けつけサービスなどのサポート体制に力を入れている電力会社もあります。停電時の対応はもちろん、中には電球の取り替えやコンセントの破損まで対応してくれるケースも。オプションで付帯する場合は、月額数百円程度。電力会社によっては無料で提供していることもあります。

電気使用量が多い家庭におすすめの電力会社

東京ガス ずっとも電気

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東京ガスが提供する新電力。電気の基本料金は、従来の地域電力会社と変わらないが、従量料金は電気使用量が多いほど割安になる(東京電力と比較した場合、月の電気使用量300kWh以上で最大21%OFF)。
ガスと電気のセット契約を行い、家族向けプラン「ファミリーセレクト」を選択すると、電気料金から270円を割引。24時間365日受付を行う「生活まわり駆けつけサービス」も無料で利用できる。電気だけでなく、水まわりや玄関鍵、窓のトラブルにも対応してくれる点が魅力。
また、毎月の電気料金の支払い1,000円ごとに独自のポイント「パッチョポイント」が15ポイント貯まり、楽天スーパーポイントやTポイントと等価交換可能。たとえば、月の電気料金が6,000円の場合は、90ポイントが付与されるため、ポイントによって実質90円の電気代割引を受けられる計算になる。

JXTGエネルギー ENEOSでんき

ENEOSでんき

エネルギー事業大手のJXTGグループが提供する新電力。電気の基本料金は、東京電力の従来プラン(従量電灯B)と同額だが、従量料金は最大14%OFFになる(月の電気使用量が300kWh以上の場合)。また、2年以上の利用契約で「にねんとく2割」が適用され、電気料金が1kWhあたり0.20円割引。3年目からは割引額が拡大され0.30円割引となる。クレジットカード であるENEOSカードで電気料金の支払いを行うと、ガソリン代が1Lあたり1円の割引が受けられる点も注目したい。車を利用しない世帯でも、電気料金の支払い200円ごとにTポイントやANAマイルなどが付与される(ENEOSカードのガソリン代割引とは併用不可)。

電気使用量が少ない家庭におすすめの電力会社

HTBエナジー たのしいでんき

HTBエナジー

大手旅行会社H.I.Sが提供する新電力。「従量電灯B5コース」は単身世帯・家族問わず、大手電気会社より基本料金・従量料金が一律5%安くなる。さらに毎日2時間分の電気料金が無料になる「ママトクコース(19:00〜21:00)」「朝ママトクコース(6:00〜8:00)」も用意されており、その時間に電気使用量が多い家庭であれば、電気料金の節約が期待できるだろう。電気以外の日常生活のトラブルをサポートする「安心サポート24」などのオプション(別料金)も充実。契約後一年以内の解約では違約金が発生する点に注意したい。

電力会社変更のデメリットや注意点は?

違約金が設けられていることも

申し込みの際には「違約金の有無」を確認しましょう。契約することで電気料金は安くなるものの、事情があり途中で解約する場合には、違約金が発生することがあります。
また、割引制度適用の条件として最低利用期間が設けられている場合は、最低利用期間を経ずに解約をすると、違約金を取られるケースもあります。
申し込み前に、なんらかの事情があり解約するケースも想定して「選んだ電力会社には違約金があるのか」「割引を受けるための最低利用期間はあるのか」をチェックしましょう。

本当に現在よりも電気料金が安くなるか

電力会社を変更する前には、本当に電気料金が安くなるかどうか、入念にシミュレーションを行っておくことがポイントです。直近の電気使用量ではなく、可能であれば1年分の電気使用量でシミュレーションを行うと、本当に電気料金が安くなるのかどうかを把握しやすいでしょう。

なお、東京電力など既存の電力会社では、電気料金の口座振替で毎月54円の割引が適用されます。つまり、現在、既存電力会社の電気料金を口座振替で支払っている家庭は、自動的に年間648円を節約できている計算に
新電力の多くは、このような口座振替割引には対応していないので、電気料金を比較する場合は、口座振替で節約できている金額も加味しておく必要があります。

電気使用量が多い家庭におすすめの電力会社

新電力の多くはコストカットのため、WEB上で電気料金や電気使用量を確認するしくみをとっています。「紙の請求書が欲しい」という場合は、別途手数料が発生する場合もあるため、事前に発行手数料の有無を確認しておきましょう。

column賃貸マンションやアパートでも電力会社は変更できる?

電力会社の変更は、一戸建てに限らず、賃貸マンションやアパートでも可能です。
ただし、賃貸住宅で「高圧一括受電契約」 をしている場合には、自分の意思だけで電力会社を変更することはできません。
高圧一括受電契約とは、家主・管理会社が建物全体で1社の電力会社と契約をしていること。自分の電力契約がどちらかを見分けるには、「請求書がどこから届いているか」を確認すると良いでしょう。契約している電力会社から自宅宛てに請求書が届いていれば、電力会社との個別契約を行っていることになりますので、自分の判断で電力会社を変更することができます。
一方、家主や管理会社から請求書が届いている場合には、高圧一括受電契約の可能性があります。

電力会社の変更手続きは簡単!ポイントを押さえて電気料金を節約しよう

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いかがでしょうか。
家庭の電気使用量や家族構成によって、それぞれの家庭に最適な電力会社は異なります。
可能であれば、過去1年分の検針票を手元に用意し、まずはいくつかの電力会社で電気料金シミュレーションを行ってみましょう。供給エリアや、付帯サービスの内容、違約金の有無などについても忘れずにチェック。ほとんどの電力会社が、申し込み手続きはWEB上から必要な情報を入力するだけで完了します。

このように、電力会社の変更手続きは非常に簡単。申し込んでから切り替えが完了するまでには、一定の時間がかかるため、電気の使用量が高まる夏や冬に合わせて、早めに変更を検討してみてはいかがでしょうか。

(著者:久我裕紀)