千葉に地域新電力が誕生。増加しつつある自治体の電力会社、その特徴やサービス内容は?

成田市と香取市が共同で地域新電力を設立。自治体による電力会社とは?

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成田市と香取市が共同で地域新電力を設立。自治体による電力会社とは?

成田市と香取市は5日、地域電力会社「成田香取エネルギー」の設立を発表しました。
4月からの電力自由化により、地方自治体が独自の地域新電力を立ち上げるケースは増えているものの、2つの自治体の共同出資による電力会社設立は全国初となります。

今回、新電力を立ち上げた成田市と香取市は、いずれも市内に再生可能エネルギー型の発電施設を保有。成田市は市内清掃工場においてごみ処理発電(バイオマス発電の一種)を実施しており、香取市は5箇所の太陽光発電所を、市が事業主体となり運営しています。

「成田香取エネルギー」では、これらの再生可能エネルギーで供給電力の40~50%を賄う方針です。供給先は、主に市庁舎や小学校などの公共施設を想定、10月からの供給開始を目指しています。

エネルギーの地産地消で地域活性化をはかる「地域新電力」

成田市と香取市の例のように、自治体が運営主体の地域新電力は増加傾向にあります。
電力自由化がスタートしたことにより、地域に発電施設を持つ自治体が電力会社を立ち上げ、地域で生産した電力を地域で消費する「エネルギーの地産地消」が可能になったためです

このようなエネルギーの地産地消は、エネルギー生産による利潤とコストが地域内を循環することで新たな雇用の創出や電力コストの削減等、多方面から地域経済を活性化させる効果があります

例えば、「成田香取エネルギー」の場合、市内の発電施設の電力を、東京電力エナジーパートナーの現行価格よりも3%高く買取り。供給先の公共施設へは従来よりも安く提供することで、電力コストを12%削減し、年間7,500万円の経済効果があるという試算が出されています。
コスト削減後は、市内の公共施設の使用料引き下げなどを検討し、市民サービスの向上に反映させていくねらいです。

公共施設などの高圧電力だけでなく、福岡県みやま市の「みやまスマートエネルギー」のように、低圧(家庭用)電力も供給する地域新電力の場合、従来の電気料金よりも割安な電気料金を提供したり、水道料金とのセット割引、高齢者の見守りサービス等、地域住民に対する直接的なメリットを提供しているケースも少なくありません。

また、地方新電力の多くは、水力・風力・太陽光・地熱など、その地域が擁する発電施設を利用するため、再生可能エネルギーの比率が比較的高い点も特徴です。
再生可能エネルギーは、石油や原子力と比較してコストが高く、電気料金面では不利となるケースがあるものの、地球環境保全の理念に共感する企業や個人は多く、今後も一定の需要が見込まれる分野となるでしょう。

各家庭の電力を自由に選べるようになった現在、消費者が電力会社を選ぶ軸は必ずしも「電気料金」だけでなく、「地球環境への配慮」や「電力会社の企業理念」など多岐にわたります
自治体による地域新電力は、その中でも「地域振興」を旗印とした地域住民にとってメリットの多い電力会社の一つ。

電力自由化により、多くの電力会社が登場する中で、どこを選べばよいか迷った場合は、その地域の活性化を目指す「地域新電力」のサービスにも注目してみてはいかがでしょう。