2016年4月に実施された電力の小売り自由化から、5ヶ月が経過しました。全ての電気事業者が加盟する電力広域的運営推進機関の公表データを見ると、2016年8月末までの電力会社切り替え件数は約167万件。電力自由化の対象となっている全世帯の約2.7%弱が電力会社を切り替えたことがわかります。今回のエネセーブのニュースは、2016年8月時点の電力会社切り替え件数を分析し、新電力の獲得件数の推移とシェアを考察しました。
新電力事業者 | 申し込み数(1ヶ月後)/発表日 | 申し込み数(5ヶ月後)/発表日 |
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東京ガスの電気(東京ガス) | 30万件/2016年5月10日 | 40.1万件/2016年7月21日 |
大阪ガスの電気(大阪ガス) | 12.5万件/2016年4月26日 | 17万件/2016年7月27日 |
ENEOSでんき(JXエナジー) | 10万件/2016年4月17日 | 10万件/2016年6月4日 |
東急でんき(東急パワーサプライ) | 3.7万件/2016年4月25日 | 4.3万件/2016年7月21日 |
たのしいでんき(HTBエナジー) | 1万件/2016年4月15日 | 不明 |
関東圏と関西圏という2大経済圏の電力会社切り替え件数を分析すると、関東圏は東京ガス、関西圏は大阪ガスが最大のシェアを獲得していることがわかります。
電力会社の切り替え件数は徐々に増加していますが、増加率を見るとここに来て鈍化。多くのユーザーが切り替えに積極的とは言えない状況です。その要因は何でしょうか?エネセーブでは下記要因が大きいと考えています。
電力会社の切り替えが進まない3つの要因
新電力事業者の数が多過ぎる
どの電力会社のどのプランが良いかわからない
知名度のある電力会社から全く知らない新電力へ切り替えるのは不安
電力会社の情報を専門に取り扱うエネセーブの編集部から見ても、新電力に参入した事業者数は多すぎると感じます。また、一つの電力会社が複数の電気料金プランを提供しており、一般の利用者がプランを一つ一つ比較するのは至難の業です。このハードルを乗り越え、自身の家庭に合った電力会社を選ぶことがでkりえば、確実に電気料金は下がるのですが、半額になるというようなことはないため、割引率の低さがネックになっているケースも少なからずあるかもしれません。
(ちなみに多くの人が感じる、知名度がない電力会社だと不安というのは実際には誤った認識です。電力自由化がスタートする際、万一にも新電力が破たんした場合に備え、そのような状況が起こっても電気は問題なく送電されるよう設計されています。)
電力会社を切り替えることで削減できる電気代の割引率は、5~10%程度ですが、電気は毎月必ず使うものであり、この金額が積み重なっていけば数万円、数十万円の差になります。電力会社切り替えのネックとなっているプラン選択の問題は、エネセーブが用意している電気料金シミュレーションを使う事で、解消が可能です。
電力会社の切り替えを検討している方は、他の方に先駆けてチャレンジしてみてはいかがでしょう?そのチャレンジが上手くいけば、確実に毎月の電気料金を節約できるはずです。