ガス自由化の参入企業は増える?新電力がガスに参入する2018年に注目!

ガス自由化の参入企業に変化?東京電力が新電力に都市ガスを供給

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ガス自由化の参入企業に変化?東京電力が新電力に都市ガスを供給

東京電力ホールディングスは、11月14日、新電力のイーレックスと都市ガス事業で提携することを発表しました。東京電力が自社のガス設備で製造した都市ガスを供給することで、イーレックスのガス自由化事業への参入を後押しする狙いです。

参考) 東電、新電力にガス供給 まずイーレックスに

2017年4月から、全国で都市ガスの小売り自由化(ガス自由化)がスタートし、都市ガス世帯も、プロパンガス世帯のように、ガス会社を自由に選べるようになりました。
しかし、都市ガスの利用顧客2,833万件(日本ガス協会調べ。平成28年9月5日)に対し、切り替えを申請したのは、関東エリアで10,282件(経済産業省、ガス小売全面自由化スイッチング申込件数。平成29年10月31日)と、実際に切り替えを行ったのは全体の0.036%にとどまっています

せっかくのガス自由化が、盛り上がりに欠けている理由は、認知度が低い(都市ガスが自由化された事実が知られてない)ことに加えて、参入企業が少なく、選択肢が少ないことも関係しているようです。
電力と比較すると、都市ガスは、原料のLNG(液化天然ガス)等からガスを製造するための設備にコストがかかり、異業種の企業が参入するのは困難。現在、一般家庭向けに都市ガスを販売しているガス会社の多くは、既存の都市ガス会社か、大規模な都市ガス製造設備を持つ電力会社、あるいは、大手電力会社と提携することで、都市ガスを供給してもらっている、プロパンガス会社等です。しかし、ほとんどが同業者で占められた都市ガス市場は、価格競争が起こりにくく、関東エリア最大の都市ガス会社である「東京ガス」の場合、自由化後にスタートしたガス料金プランは、自由化前の料金プランから、ほとんど変化していません。

このような背景を受けて、東京電力では、自社製造した都市ガスを「新電力」にも供給することを決定。ガス自由化に先駆けてスタートした電力自由化では、多くの企業が電力事業に参入しており、自由化前まで電力供給事業を一手に引き受けていた「既存電力会社」と対比して「新電力」と呼ばれています。
このような新電力に都市ガスを提供し、電気とガスをセットで販売できる仕組みを作れば、ガス自由化低迷の原因でもある参入企業の問題は解決し、消費者の選択肢を増やすことができるでしょう。

VS東京ガス。都市ガス参入企業を増やしたい東京電力の真意は?

東京電力が、新電力の都市ガス事業参入を後押しするのは、都市ガス市場の活性化だけが目的ではありません。2016年の電力自由化で、東電から100万件以上の顧客を奪った「強敵」を、都市ガス事業によって巻き返したいという狙いがあります。

関東エリアにおいて契約申込件数100万件を突破した「東京ガス」は、電力自由化の完全な勝ち組。割安な電気料金と充実した契約者特典を提供し、新電力における事実上のトップを走っています。

東京電力ホールディングスでは、自社の強みである都市ガス(の製造能力)を武器に、新電力と提携して東京ガス包囲網を敷き、顧客奪還を目指していると考えられます。

2018年、都市ガスの料金は安くなる?

ところで、東京電力がパートナーとして選んだ新電力を利用すると、消費者には何らかのメリットがあるのでしょうか?
今回、東電が提携を発表したイーレックスは、2018年4月から都市ガス供給をスタート予定。ガス料金は、東京ガスの既存のガス料金(一般料金)と比較して5%程度安くなる見込みです。
ちなみに、イーレックスが現在提供している電気料金プランは、東京ガスの電気料金プラン(ずっとも電気)と比較すると、電気使用量が120~140kWh前後の家庭にとって有利。その一方で、月々の電気使用量が140kWh以上の家庭の場合は、東京ガスの方に優位性があります。

つまり、それぞれの家庭の毎月のガス使用量と電気使用量、さらに、イーレックスの都市ガス料金の割引率によって、東京ガスがお得か、東電&イーレックス連合がお得かか分かれると予想されます。

様々な思惑が交錯するエネルギー業界ですが、消費者にとってもっとも気になるのは、やはり、料金が安くなるかどうかでしょう。光熱費節約のために電力会社やガス会社の切り替えを検討している方は、各社の電気料金・ガス料金を、2018年も引き続きウォッチングしていくのが良さそうです。