賃貸でも電力会社の切り替えはできるのかを解説

賃貸と電力自由化 -賃貸住まいでも電力会社は切り替えられる?-

更新

賃貸でも電力会社の切り替えはできるの?

2016年4月から、一般家庭での電力自由化がスタートしました。経済産業省の資料(電力小売全面自由化の進捗状況/2017年7月7日発表【PDF】)によると、新電力への切り替え件数は2017年3月末時点で約295万件(約4.7%)と、着実に電力会社を切り替える世帯が増えてきていることがわかります

一方で、「うちは賃貸だから電気の切り替えはできないのでは?」「大家さんに相談する必要はあるの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

結論を先に言えば、賃貸住宅でも一部の例外を除き、電力会社を切り替えることが可能です。本特集では、賃貸住宅で電力会社を切り替える際に知っておきたいポイントと注意点、電力会社を選ぶ際のポイントと、おすすめの電力会社4社を紹介します。

賃貸で電力会社を切り替える場合に知っておきたいポイント

工具の画像

スマートメーターへの切り替えが必要

先述したように、賃貸でも電力会社は切り替え可能です。ただし、電力会社を切り替える場合は、事前に電力量計を「スマートメーター」へ切り替える必要があります
スマートメーターとは、電力使用量の測定だけではなく、どのような電気の使い方をしているかを記録できる計測機。通信機能が備わっており、作業員がいなくても電気使用量を電力会社が把握できる仕組みになっています。

スマートメーターの取り付け工事は、原則的に、電力自由化前からその地域に電力供給を行っていた既存電力会社が行います。住居人の立会い等は不要で、工事費も無料。いずれは、すべての世帯で従来の電力量計からスマートメーターに切り替えられる予定となっているので、家主・管理会社等への連絡も原則的には不要です。そのため、賃貸でも電力会社への申し込みを行うだけで、簡単に電力を切り替えることができます

賃貸で電力会社を切り替える際の注意点は?

賃貸画像

高圧一括受電契約に注意

このように、電力自由化では、賃貸でも電力会社を自由に選んで切り替えることができます。しかし、お住いの賃貸住宅で「高圧一括受電契約」を結んでいる場合には、電力会社の切り替えはできません。高圧一括受電契約とは、家主・管理会社などが、マンション・アパート全体で1社の電力会社と契約をしていることです。「電力使用量のお知らせ(請求書)」がどこから届いているかを、確認しましょう。

電力会社から直接請求書が届いている場合には、電力会社と「個別契約」している状態なので、電力会社の切り替えは可能です。一方、家主や管理会社から請求が届き、電気料金を支払っている場合には、高圧一括受電契約ですので電力会社の切り替えは原則できません

電力会社を選ぶ際のポイントとおすすめの電力会社

電力会社を切り替える前に、必ず行っていただきたいのが電気料金シミュレーションです。ほとんどの電力会社では、公式サイトから簡単に電気料金を試算することが可能です。過去数ヶ月分の電気使用量・電気料金の明細を手元に用意し、各社でシミレーションし料金を比較しましょう。

電気料金は多くの場合、誰にでも同額で課せられる「基本料金部分」と、使用量に応じて料金が変わる「従量料金部分」の2つに分かれています。それぞれの料金を比較し、今よりも電気料金が安くなるのかどうか、入念に確認しておきましょう。

最後に、数多く存在する電力会社の中でも電気料金が割安で、特典の充実している電力会社を4つ紹介します。

電気料金が安い電力会社

KOYOでんき

基本料金・従量料金が安い電力会社として有名なのが、KOYOでんき。神戸に本社を置く電力会社で、再生可能エネルギーを積極的に利用しているのが特徴です。2017年6月1日より、基本料金・従量料金が見直され、大幅に値下げされました(基本料金が「きほんプラン」なら10%OFF、「生活フィットプラン」では45%OFF)。電力会社を比較する際には、候補にしたい電力会社の一つです。

電気料金試算:KOYOでんき きほんプラン ※40A契約、400kWhの場合

1ヶ月あたり 10,223円(税込)口座振替・カード払割引:54円/月を含む
東京電力:従量電灯B 11,044円と比較すると月額779円割安年間9,348円の節約!
※燃料調整費は平成29年9月時点(-2.90円/kWh)、再生可能エネルギー発電促進賦課金等は平成29年5月~平成30年4月(2.64円/kWh)

Looopでんき

太陽光発電システムの開発と、販売を行っているLooopでんき(ループ電気)の最大の特徴は基本料金が0円となっている点。「使った分だけの料金(従量料金のみ)」なので、基本料金部分で他の電力会社との料金差が出やすくなります。ただし、Looopでんきは「インターネットからの申し込みのみ対応」「電気料金の支払い方法はクレジットカードのみ」という点に注意しましょう。

電気料金試算:Looopでんき おうちプラン ※40A契約、400kWhの場合

1ヶ月あたり 10,296円(税込)口座振替・カード払割引:54円/月を含む
東京電力:従量電灯B 11,044円と比較すると月額748円割安年間8,976円の節約!
※燃料調整費は平成29年9月時点(-2.90円/kWh)、再生可能エネルギー発電促進賦課金等は平成29年5月~平成30年4月(2.64円/kWh)

セット割・特典が充実している電力会社

東京ガス

国内最大手の都市ガス会社「東京ガス」も、電力会社を比較する際に候補にしたい電力会社の一つです。都市ガスとセットで電気料金が月額270円割引(年間3,240円)になるのが、最大のポイント。東京ガスを利用している方にとっては、有力な選択肢になります。さらに、電気料金に応じて独自の「パッチョポイント」が付与され、Tポイントや楽天スーパーポイントとの交換も可能です。

電気料金試算:東京ガス ずっとも電気1 ※40A契約、400kWhの場合

1ヶ月あたり 10,224円(税込)ガス・電気セット割:270円/月を含む
東京電力:従量電灯B 11,044円と比較すると月額820円割安年間9,840円の節約!
※燃料調整費は平成29年9月時点(-2.90円/kWh)、再生可能エネルギー発電促進賦課金等は平成29年5月~平成30年4月(2.64円/kWh)

東急パワーサプライ 東急でんき

東急でんきは、東急電鉄が設立した新電力事業者。通勤通学で東急電力を利用している方には、メリットの多い電力会社です。割安な電気料金に加え、独自の「TOKYUポイント」の還元率の高さが人気のポイント。東急グループのクレジットカード「TOKYU CARD」で電気料金を支払うことで、電気料金の1%がポイントとして還元されます。さらに、東急でんき契約者はTOKYU CARDでのPASMO定期券購入・PASMOオートチャージ時のポイントが2倍になります。

電気料金試算:東急でんき 従量電灯B ※40A契約、400kWhの場合

1ヶ月あたり 10,796円(税込)口座振替・カード払割引:54円/月を含む
東京電力:従量電灯B 11,044円と比較すると月額248円割安年間2,976円の節約!
※燃料調整費は平成29年9月時点(-2.90円/kWh)、再生可能エネルギー発電促進賦課金等は平成29年5月~平成30年4月(2.64円/kWh)

いかがでしたか。賃貸は持ち家と比較すると、住居面で制約を受ける場面も多いですが、電力自由化については、持ち家の方と同等の恩恵を受けることができます

2016年から始まった電力自由化で、電力会社間の価格競争により、一般家庭では従来よりも5%前後安く電気を利用できるようになりました。ただし、注意したいのは電力会社ごとに特徴が異なるという点です。例えば、夜間の時間帯の料金が安くなる電気料金プランや、電気使用量が多いほど電気料金が安くなる電力会社があり、各家庭の電気を使う時間帯や、電気の使用量によって、有利な電力会社は異なります

各家庭の電気使用状況に合った最適な割引を受けることができるよう、シミュレーション等も上手に活用しながら電力会社を賢く選び、電気料金を節約しましょう。

(著者:久我裕紀)